仏TV番組から学んだこと, “What French TV Programs Taught Me”

エンターテインメント

今年初めに「Law & Order:性犯罪特捜班」とオリビア、マリシュカ・ハージティにすっかり嵌り、そのままイギリス警察(刑事ドラマ)物をAmazonプライム(アマプラ)で見つくし、現在欧米TV番組視聴が停滞かつ辟易気味。

脚本も俳優もよく、面白い番組が多いイギリス警察ドラマですが、とにかく”暗い”。そしてなによりも”おしゃれじゃない”、“華がない”、よく言えばそれだけ現実味にあふれ、地に足がついた彼らの物語を見ていると鬱々とした気持ちになりがち。(あまりにも悲惨な事件ばかりを扱っている番組が多いのも起因の一つ。)

気分を高揚させる作品、くすっと笑わせ心豊かにさせてくれる番組がないものかと思い、普段は余り見ないフランスTV番組「エージェント物語」をネットフリックス(以下ネトフリ)で偶然にも発見。

思えば、80年代から90年代、青春まっさかりのあの頃。マガジンハウス(雑誌オリーブ)の影響か、フランス文化への憧れはファッションと映画から始まりました。エリック・ロメールの作品群、「グランブルー」、「ベティブルー」そしてレオン・カラックスの「汚れた血」を見た時の衝撃。

あれから四半世紀経った後。その美貌は衰えずとも、メリル・ストリープ以上にでっぷりとしてしまつたカトリーヌ・ドヌーブや、どすこい体形になってしまったジュリエット・ビノシュを見て以来、どうもフランス映画(以下仏映画)からは気持ちが遠のいてしまっていました。

そんな過去を持つ私にどんぴしゃりだったのがこの作品「エージェント物語」。ジャンルとしてはコメディー、一言で要約するとフランスのスター俳優を担当する大手タレント事務所ASKの面々の事件簿、まずはその魅力について。

  • 欠点が見当たらない程、よく練られた脚本、メインキャストの好演、そして豪華スターの出演
    • 何より魅力的なのは、このタレント事務所ASKのメインメンバー、カミーユ・コッタン演じる女性主人公、アンドレア。
      • わがまま、やりたい放題かつやや情緒不安の(鷲鼻)美女。というと英米TV番組にもよくあるキャラクターだけれど、彼女はレズビアンであり、パートナーとなる生真面目な会計士の彼女に”Seducing”と言われるほど、”女性に”目がないというキャラクターが実に新鮮。私が特に好きなシーンは、彼女が同僚から、(まだ口説いていない)彼女のタイプではないが気になる生真面目すぎる会計士のブロンド美女が、朝一自分の部屋に来ると聞き、慌てて身支度をしながら、色っぽく”コレット”と名前を呼ぶ練習をする場面。
    • 夢のスター競演。「ベティ・ブルー」のベアトリス・ダルもややでっぷりしたのがショックだけれど、その威厳と抜群の存在感。私より年上ながら脅威の美貌と若さを誇る、モニカ・ベルッチはイメージそのままの色気っぷり。そして、小柄とは気づかなかったイサベル・ユペールのワーカホリックなワーキングスタイル(実際にも多数の作品に出演)とそのちょこまかとした動きが可愛すぎる!
    • でも一番の見せ場を作っているのはもしかしたら、その名もジャン・ギャバンのラッセルテリア

 

  • オープニングで、ブルボン王朝の衣装を纏った、高身長で華奢なブロンド美女が、その衣装を脱ぎ捨て、小尻が際立つスキニージーンズにコンバースのスニーカーに着替えるシーンでぐっとつかまれますが、なんといっても、女性陣のファッションがおシャレ!
    • まさにコントワー・デ・コトニエントアーの世界色鮮やかなカラーそして、花柄のトップスに、黒スキニーはパリジェンヌの定番。そしてもちろんトレンチコートは欠かせない。カーダシアンに代表される”グラマラス”な肢体とは真逆。ジェーンバーキンの頃から変わらない、華奢でボーイッシュな体つきがやはりフランス人女性のお好みであり、ジェーンと同様ノーブラ(笑)。そしてイギリスTV番組や映画でもおなじみ、きちんとした三つ揃えのスーツをエレガンスに着こなす、ヨーロッパ紳士(悪役ですが)も登場します。

繰り返し視聴して気づいた事、真似したいフランス女性の魅力、こんな風になれたらと思ったのは以下の三点です。

  1. 会話の大切さ。イギリス人の自虐的そして攻撃的なブラックジョーク。そしてテニスのラリーのように互いの会話を楽しみあうアメリカ人。彼らに比べるとフランス人の会話は、この番組でも何度も出てくるけれど、本当にスノッブ、自分の教養をひけらかし相手を圧倒しようとする。でもそれが鼻もちならない態度にはならないのが摩訶不思議。
  2. 無造作かつ隙のあるスタイル。ファッションもスキンケアも大事。でもこの番組を見て発見したのは、一見無造作でくしゃくしゃなフランス人女性のヘアスタイルが実は”計算しつくされた”無造作を装っている、そして髪型だけではなく彼らのファッションにも通じている事
  3. コケットリー、如何に人を魅了するか。フランス映画ではあまり見かけない”グラマーなぶりっこ”がコメディアンヌとしてこの番組では出てきますが、過剰なメイクアップも分かりやすい色気もないけれど、何故か人を魅了する、フランス女性のナチュラルな魅力。

フランスではまだひよっこにあたる”アラフィフ”の私も、いつか彼らの域に達せるかもという幸せな幻想を与えてくれる、この番組のシーズン4には、なんとシャルロット・ゲンズブールがいよいよ登場、早く日本で公開してほしいです、ネトフリ様!

https://youtu.be/zQol7cvg_uI